
母ちゃんは片目が義眼だったのですが、
去年の秋頃から自分で入れられなくなって、
僕が手伝ったりしていました。
母ちゃんが亡くなってから、
義眼は大切にとっておこうと、
思っていたのですが、
葬儀のときに担当の方に、
紛失させられてしまったのです…。
きっと、これも意味があることなんだろう、
そう思って受け止めていましたが、
母ちゃんの“身体の一部”でもあるので、
やっぱり手元に置いておきたかったな、
そんな思いが強くなっていました。
先日、母ちゃんが使っていた、
鏡台を整理していたら、
白い箱がありました。
ふたを開けて中を見てみると、
嗚呼、これは…。
母ちゃんの義眼が入っていました。
最期に使っていたものではなく、
昔、使っていたものでしょう。
でも、それは確かに母ちゃんの義眼なので、
形見が見つかったことになりますし、
あと、逢えなくなった母ちゃんに、
久々に出逢えたような気がして、
すごく嬉しい気持ちになりました。
思わず涙がこぼれてしまいそうになるほど、
見つけた瞬間は、
それほど嬉しい気持ちでした。
母ちゃんに出逢えた、
そんな秋です。